◆味噌カツ(赤味噌)
「赤味噌は旨いよ!」とおすすめしたくなる理由は、なんといっても「コク」があるからです。
名古屋の名物といわれる「味噌カツ 」「味噌煮込みうどん」「どて煮」など赤みそ料理をご存知でしょうか。
赤味噌料理はコッテリしつつも旨味バツグン!
色が濃いわりには、塩辛くないですしね。
赤味噌の地域に育ち、赤みそファンの管理人が
- 赤味噌と白みその違い
- 赤味噌と白みその生産される地域
を中心に、赤味噌の魅力をお伝えしたいと思います。
毎日食べても飽きないどころか、健康増進に役立つ赤味噌の魅力をどうぞ!
赤味噌と白みその違い
◆左が赤味噌 右は麦みそ
先に赤味噌と白みその違いをみてみましょう。
赤味噌とは・大豆と塩だけで作る
赤味噌の色は赤っぽいものもありますが、多くは黒っぽいです。
赤味噌は東海地方の三重・愛知・岐阜の三県で、9割消費しているといいます。
「東海で作られる赤味噌は他と比べてコクが違う」 これは比べてみると誰もが感じるはず。
その「コク」の決定的な違いはどこからくるかというと、
「大豆と塩だけで作られている」という作り方からです。
まずは赤味噌の作り方にその大きな特徴があります。
赤味噌の作り方
◆赤味噌
東海地方で作られる赤味噌の作り方は、
- 大豆を蒸す
- それをすりつぶし塊にする(すでに茶色になっている)
- 麹菌をつける(豆味噌)
- 3日間保管(雑菌が生えやすいので温度湿度の管理された場所で・豆味噌玉)
- 塊を砕いて 塩と混ぜる
- 巨大な桶にしこみ5ヶ月以上を寝かせる
赤味噌は5か月以上の長期間をかけて作られ、中には3年以上もの歳月をかけるものもあります。
豆と塩でつくることから、「豆味噌」とも呼ばれます。
さて、作り方がわかったとことで、
なぜ「旨味のコク」が赤味噌にはあるのか?
赤味噌の「コク」は「メイラードペプチド 」
「赤味噌にはコクがあってそれがうみゃ~んだわ」と名古屋市長の河村さんもおっしゃいます。
そのコクの正体は、「メイラードペプチド 」という旨味成分です。
インスタント食品や冷凍食品にも使用されているそうです。
長い熟成の間に、香気成分が生成されたり、抗酸化成分も生まれます。
色が赤いというより黒っぽいので、印象はよくない赤味噌ですが、
旨味とともに色が濃くなるという特徴はさけられません。
◆赤味噌・八丁みそ
名古屋人の私は、真っ黒に近い味噌ほど「うみゃ~(美味しそう)」と思ってしまいます。
白味噌とは・米/大豆/塩のみで作る
◆白味噌
白味噌は主に関西で製造されている、米麹の比率が高く塩分5から6%の短期熟成の甘味の強い味噌。
米味噌に分類されます。
米・大豆・塩の3点だけで味噌を作り、他のものは一切入れません。
白味噌の熟成期間は約一か月です。
白味噌は白く甘い
白味噌は明るい黄色と白を混ぜたよなカスタードクリームのような色です。
米麹が持つ糖化酵素による甘さで、とても甘いですが砂糖の甘さとは違います。
その甘味から甘みそとも呼ばれます。
米麹の香りがします。
信州みそは甘みそではない
信州みその色の白いものを「白味噌」と呼ぶことがありますが、信州味噌は甘味噌ではないです。
白味噌(甘味噌)を区別するポイント
- 白味噌(甘味噌):塩分5%前後で原材料は米が必ず一位にくる
- 甘味噌ではないもの:塩分10%前後で原材料は一位に大豆がくる
赤味噌・白味噌の地域
赤味噌の地域
愛知、三重、岐阜の三県で生産されています。
名古屋味噌、三河味噌、三州味噌、八丁味噌などの呼び名や銘柄があります。
白味噌の地域
広島県、香川県、京都府が主な産地で、近隣の県でも生産されています。
赤味噌(豆味噌)と米味噌の塩分濃度比較
赤味噌(豆味噌)と米味噌では、塩分濃度にも違いがあります。
- 赤味噌(豆味噌)は10.9%
- 米みそは5~6%のものと10~12.4%のものがある
- 減塩みそは10.3%
豆味噌は赤黒い色をしていますが、塩分濃度は低いのです!
◆八丁味噌 赤味噌(豆味噌)色は黒っぽい
◆八丁味噌 赤味噌(豆味噌)の塩分濃度11.1%
色が黒っぽい八丁味噌ですが、塩分表示を見ると11.1%です。
色が濃すぎる・しょっぱい気がするというのは濡れ衣です。
赤味噌のコクと旨味について
煮込むほどにコクが増す赤味噌
◆味噌煮込みうどん
赤味噌にはもともとコクがありますが、煮込むとさらにコクは増します。
そして苦味や雑味は時間が経つほど減っていき、コクは時間が経つほど増していきます。
煮込みはじめから30分ほどで一気にコクが出て、3時間経過まで徐々に「コク」が増していきます。
それ以降はあまり変化はありません。
なので赤味噌で煮込むときは、30分は煮込むとよりコクを感じることができますよ!
色を薄くする挑戦の結果
赤味噌は色が黒っぽいので敬遠されがちです。
その点をなんとかしようという努力もあります。
ただ薄くするのに挑戦した結果「コクが減ってしまう」とわかり、赤い色の成分こそがうまい味の成分であったと判明。
赤味噌(豆味噌)は赤い(黒い)ものなんです。
赤味噌と白みその違いは?生産される地域/おいしさの秘密はコクと旨味/まとめ
赤味噌は米と塩のみで5か月以上熟成させ、豆味噌ともいう。
白味噌は米・豆・塩で1か月後にはできあがり、甘味噌ともいう。
赤味噌は東海地方の三県で、白味噌は広島県、香川県、京都府を中心に生産されている。
赤味噌は煮込むほどにうまみ成分が増えるので、煮込み料理に向く。
赤味噌は長いものでは、2年~3年を超える熟成期間のものがあり、色はより黒くなるがよりコクが増す。
◆赤味噌の料理・レシピ・うまいお味噌汁の作り方
コクと旨味の赤味噌を一度おためしあれ。
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