
寒さが本格的になる季節、恋しくなるのが「シルクの温もり」です。
でも、市販のシルクのブランケットを探してみると、意外と薄手のものが多く、「真冬には少し物足りないな」と感じたことはありませんか?
「もっと厚手で、うっとりするような絹の暖かさに包まれたい……」そんな願いを、大切な思い出の詰まった「羽織」が叶えてくれました。
「切らない・解かない」という新しいリメイクの形

着物のリメイクに興味はあっても、「ハサミを入れる勇気がない」「失敗して元に戻せなくなったらどうしよう」と二の足を踏んでしまう方は多いはずです。
今回のアイデアは、そんな不安が一切ありません。「切らない、解かない、ただ数箇所をまつり縫いするだけ」。
驚くほどシンプルですが、これが実は最も贅沢で、合理的な方法だったのです。
「6枚の絹」が作り出す、魔法の保温性

このリメイクの最大のポイントは、袖の畳み方にあります。
羽織の袖を背中側へ折り込むことで、ひざ掛けとして使った時に、なんと「絹が6枚」も重なる計算になります(袖片方で4枚、身頃で2枚)。
シルクは天然の断熱材。その層が6枚も重なることで、薄手のブランケットでは味わえない「ポカポカとした優しい熱」を逃さず溜め込んでくれます。
初心者さん大歓迎!「まつり縫い」だけで完成

ミシンは使いません。
必要なのは、針と糸、そして少しの時間だけ。
袖を固定するために数箇所を優しくまつるだけなので、お裁縫が苦手な方でも1~2時間あれば完成します。
もし「やっぱりまた羽織として着たい」と思ったら、糸を解くだけで元の姿に。
大切な布を傷めない、究極のサステナブルな活用法です。
贅沢に「そのまま」を味わう

今回はあえてカバーをかけず、シルクの肌触りをダイレクトに楽しむスタイルを提案します。
紬のシャリ感や、正絹のとろけるような質感を肌で感じる時間は、格別のリラックスタイム。
「汚れが心配」という方もいらっしゃるかもしれませんが、シーズン終わりに一度ドライクリーニングに出せば大丈夫。
プロの手を借りて、上質なシルクを長く愛でる……そんな「丁寧な暮らし」の一部として取り入れてみてください。
結びに:粋な紬で、冬の特等席を

私が今回選んだのは、濃紺の紬に風車の織模様が入った一枚。
グレーのモダンなソファーに置けば洗練されたインテリアに、和室の座布団で使えば凛とした佇まいに。
あなたのご自宅のタンスにも、出番を待っている羽織はありませんか?
「切らないリメイク」で、今年の冬は最高に贅沢な暖かさを手に入れてみてください。
作り方

- 羽織のシワをとっておきます、また羽織紐ははずします。
- 袖を背中方向にたたんで、中央を仕付け糸でとめてから、袖の端をたてに、たてまつりします。
- 袖の底を仕付け糸でとめてから、底をたてまつりします。
- 袖山を肩山に15cmほどまつりつけ、中央は襟に約16cm(背中心から左右8cm)たてまつりします。
- 袖つけの肩山を対角線方向にたたんで、背中心から4cm、肩山から14cmのところを頂点にして、背中の身頃(袖がかさねてある)にたてまつりでつけます。
以上で完成。
ソファーなど使用する椅子に座って、ひざ掛けをかけてみて、衿の下が裾につくようなら、裾から20cmほどあがったところに、スナップボタンをつけます(直径14mm)。
スナップボタンをつけることで、ひざの後ろやふくらはぎのあたりが暖かくなりますので、つけておくのをおすすめします。
汚れが気になる場合

もし食事中などに使うなら、上に1枚クロスを置くだけで十分です。
お気に入りの手ぬぐいをクリップでとめつけるとよいでしょう。
洗い・クリーニングについて
冬の間たっぷり使って、春になったらクリーニングへ。羽織1枚分なので、コートほど高くありませんよ。
冬の間、シルクをまとって贅沢な時間を過ごしませんか。



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