【着物リメイク】喪服の黒が「最高の差し色」に。50代からの顔映えシルクスヌード制作記

冷え込みが厳しい1月。首元を守る防寒具は欠かせませんが、大人の女性にとって「暖かさ」と同じくらい大切なのが「上品さ」と「顔映り」ですよね。
今回は、タンスに眠っていた「喪服の黒(一越縮緬)」と「羽織の茜色(紬)」を使い、一生モノのシルクスヌードを作りました。
実は今回の制作、一度「試作」をしてから「本番」に挑むという、こだわりの工程を踏んでいます。その結果、驚くほど「見え方」と「使い心地」が変わったのです。
1. 最初の試作:悪くはないけれど、何かが足りない?
最初に作ったのは、黒70cmと赤30cmを交互に繋いだ、幅18cmのシンプルなスヌードです。
もちろんシルク100%なので暖かいのですが、実際に巻いてみると……
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「18cm幅だと、首元に少し隙間ができる」
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「ブロック繋ぎだと、色の切り替わりが少し唐突に見える」
という小さな「違和感」がありました。この「あと一歩」を解決するために、デザインを根本から見直すことにしたのです。
2. たどり着いた「センターアクセント」という魔法

本番で採用したのは、黒い生地の真ん中に茜色のラインを通す「センターアクセント」という手法です。
着物の反物幅(約37cm)では足りなかった「ボリューム感」を出すために、あえて布を足して幅を20cmに広げました。これが大正解!
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黄金比7:3の美学: 派手すぎず、でも地味にならない大人のバランス。
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万華鏡のような表情: 3重に巻くたびに、センターの茜色がチラチラと見え隠れし、どこを前にしても「決まる」デザインになりました。
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隙間ゼロの安心感: 幅を2cm広げただけで、首元を包み込む安心感が劇的にアップしました。
20cmにしたことで、以下のような嬉しい変化がありました。
- 3重に重なった際、生地が上下に重なり合う「遊び」ができるため、首元をふんわりと覆うことができます。
- 20cmあると、首だけでなく鎖骨あたりまで生地が届くため、50代以上の女性が気にする「首元の冷え」や「年齢の出やすいデコルテ」を上品に隠してくれます。
- 見た目にも少しボリュームがある方が「贅沢にシルクを使っている」という高級感が伝わり、自分も満足できる。
3. 【動画公開中】プロの仕上がりを叶える「ひと工夫」

今回の制作の様子は、動画で詳しく解説しています。
特に、「質感の違う生地をどうやってズレずに縫うか」や、「反物幅が足りない時の足し布のコツ」など、リメイクの壁を乗り越えるヒントをたくさん詰め込みました。
こんな方にぜひ見ていただきたいです:
「黒い着物の活用法に困っている」
「顔周りをパッと明るく見せたい」
「既製品にはない、上質なスヌードを自分で作りたい」
同じ材料を使っても、「繋ぎ方」と「幅」を変えるだけで、ここまで仕上がりに差が出るという驚きを、ぜひ動画で体験してください。
センターアクセントのあるシルクスヌードの作り方
丁寧に制作したこのスヌードは、一生ものといっていいと思います。
裏側の縫い代の始末も行い、見えないからと手を抜かずに制作すれば、手洗いを繰り返しても長く使用できます。
センターアクセントのあるシルクのスヌードの作り方の詳細

出来上がりを20cmの幅にするには、通常の反物の幅では足りないため、別布を足しています。7:3の割合でアクセントとなる別の布を加えることで、私たちの年代にあう 派手すぎず、でも地味にならない大人のバランスがとれます。
<できあがりサイズ>
長さ200cm、幅20センチの筒状スヌード
<必要なもの>
- 黒いシルク生地:着物の反物142cm+62cm×9cm
- 赤のシルク生地:着物の反物62cm+142cm×9cm
(※この動画内の生地幅は黒が37cm赤が35cmです)
ABのそれぞれのパーツを用意します。
Aパーツ:黒が主役の区間(長さ142cm × 幅42cm を作る)
黒の一越縮緬を縦に2つに切り、間に茜色の紬を挟みます。
① 黒(縮緬): 長さ142cm × 幅18.5cm … 2枚
② 茜色(紬): 長さ142cm × 幅9cm … 1枚
これを「黒+赤+黒」の順で横に繋ぐと、幅42cm(縫い代を引くと完成時40cm=筒状で20cm)の長い布になります。
Bパーツ:茜色が主役の区間(長さ62cm × 幅42cm を作る)
ここでも「幅が足りない」問題を逆手に取り、サイドに黒を足してデザインを統一します。
③ 茜色(紬): 長さ62cm × 幅35cm(反物幅いっぱい) … 1枚
④ 黒(縮緬): 長さ62cm × 幅9cm … 1枚
これを「赤+黒」で繋いで幅42cmにします。
最終的な繋ぎ合わせ:【Aパーツ(142cm)】+【Bパーツ(62cm)】 を繋いで、全長204cm(完成200cm)の輪にします。
端を合わせるとき、180度生地を回転させます。
◆縫い合わせる際のコツ
ミシンで縫う場合、送り歯(下のギザギザ)と押さえ(上)では、生地にかかる力が異なるため、「紬(茜色)」を下に、「一越縮緬(黒)」を上にして縫います。
下の送り歯は生地を強く引っ張る性質があります。張りのある紬を下にすることで、柔らかい縮緬がミシンの中でグニャリと歪んだり、伸びたりするのを防ぎ、一定の速度で縫い進めることができます。
同じ生地の場合は、シルクは伸びたりよれたりすることがあるため、送っていく方の生地を2枚とも左手で引っ張り気味にして縫うとよい。
◆波打ちを防ぐためのコツ

一越縮緬はシボ(凹凸)があるため、縫っている最中にミシン糸が生地に食い込んだり、波打ったり(パッカリング)することがあります。
それを防ぐため生地と押さえの間に、「ハトロン紙」や「ティッシュペーパー(1枚に裂いたもの)」を上の生地の下に挟み、重ねて一緒に縫うとよい。プロの裏技です。
◆仕上げに割りアイロン

生地をつないだあとに、仕上げに割りアイロンすることで、3重に巻いたときの「生地の重なり」がスッキリし、首回りのボリュームが「モコモコ」ではなく「ふんわり」とした高級感に変わります。
そのあと端ミシンをかけて落ち着けることで、洗いや動きにも端のほつれやゆがみがなくなり、安定してスッキリした状態が続きます。
端ミシンをBのパーツでしてみましたが、かたい感じになったので、他は端ミシンをせず、ほつれ止めをぬって終えました。
「3通りの巻き方」をして楽しめます

このスヌードの良さは、赤色が3割それも、パーツごとに違う入り方をしているので、巻き方で雰囲気が違ってきます。
- 赤を多めに出す「華やか巻き」
- 黒を多めに見せる「シックな通勤巻き」
- あえて細く見せる「室内防寒スタイル」
このようにシーンによって使い分け「1つで3役!」という実用性があるのも魅力になりました。


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