
豪華なアンティークの袋帯をリメイクして、薄型のお財布が完成しました。
こんにちは!今回は、ずっと温めていたリメイク企画をご紹介します。
タンスに眠っている豪華な「帯」。その中でも、特に目を引く華やかな柄の部分を贅沢に使い、実用性とデザイン性を兼ね備えた「世界にひとつだけの和柄財布」を制作しました。
今回の主役は、帯だけではありません。実は「羽織紐」を意外な形で活用しているんです。
今回の帯リメイクのこだわりポイント
1. 帯の「一番美しいところ」を切り取る

帯には、刺繍や織りが凝縮された「宝物のような場所」がありますよね。
今回はその一番華やかな部分を、12cm×10cmのコンパクトな世界に閉じ込めました。
手に取るたびにうっとりするような、芸術品のような仕上がりです。
2. 羽織紐が「持ち手」と「アクセント」に

今回のオリジナルアイデアがこちら。羽織紐を本体の上にループ状に取り付けました。
- 実用性:指をかけられるので、バッグから取り出しやすく、持ち歩きにも便利。
- デザイン:伝統的な羽織紐の質感が、財布全体の高級感をぐっと引き立ててくれます。
3. コンパクトなのに驚きの収納力

見た目の美しさはもちろん、財布としての機能性にもこだわりました。
出来上がりサイズ:手に馴染む 12cm × 10cm
機能:
- 出し入れスムーズな「カード入れ」
- お札を半分に折り収納できる「札入れ」
- しっかり開く「小銭入れ」
これひとつでお出かけができる、メイン財布としても十分なスペックです。
制作の裏側を少しだけ…
帯は厚みがあるため、綺麗に仕立てるには少しコツがいります。また、羽織紐をどの位置に配置すれば一番美しく、かつ持ちやすいか、何度も試作を重ねました。
「和の素材を、現代のライフスタイルに馴染む形へ」そんな想いを込めて、丁寧に仕上げていきました。
手縫いでもできますので、せっかくの帯だから、ゆっくり丁寧な手仕事にするのも素敵ですね。
詳しい作り方はYouTubeで公開中!
この財布ができるまでの全工程を動画にまとめました。
- 帯のどこをカットすれば綺麗に見える?
- 羽織紐を丈夫に取り付ける方法は?
- 厚みのある生地をミシンで縫うコツは?
など、リメイクに役立つヒントをたくさん詰め込んでいます。
「古いものを、新しくて価値のあるものへ」
皆様も、お気に入りの帯で自分だけの財布を作ってみませんか?
この動画で使用した帯について

今回お財布にした帯は、アンティークの袋帯で、長さが4m3cm、幅30cmの六通柄です。
柄の繰り返しは約35cmごとになっています。
手先と胴に巻く部分は半分にしっかりと折り線がついています。
今回のお財布のサイズは、縫い代込みでたて26.5cm、横12.5cmで裁断するので(帯の厚さにより若干変化するかもしれません)、手先と胴部分でも、必要な生地をとることができます。
お太鼓部分でしかサイズが取れない場合は、お太鼓部分の傷みや色柄に特に注意が必要になります。
今回の動画で紹介したお財布は、「重厚感があって、ハレの日にぴったり」のものになりました。
羽織紐をアクセントにした「世界にひとつだけの和柄財布」薄型の作り方

<用意するもの>
- 帯:約40cm(27×12.5を1枚 8.5×12.5を1枚 9.5×12.5を1枚 7.5×12.5を1枚)
- 接着芯:同寸
- マジックテープ:1×5
- 羽織紐:1本
<作り方>
- サイズ通りに布を裁断し、それぞれに接着芯を貼る。
- ほつれやすい生地の場合は周囲をジグザグミシンする。振り幅 3mm ぐらい。
- ポケットになる4枚の上部を1cm で折り 端ミシンする。
- 小銭入れになる8.5cm の高さのものを底 1cm 折って アイロンをあてる。
- 本体の表側の中央に印をつけ底より 1mm 上に中表で小銭入れの縫い代を合わせて脇を縫う。
- 9.5cm のものは今の小銭入れの縫い代に重ねて本体に縫い止める。
- カード入れ2枚はお札入れの上に1cm ずつ出す、底に5mm 幅でミシンをかけて縫い止める。
- マジックテープを2.5cm ずつに2つに切り分け、小銭入れの方に押すお札入れの方にメスをつける。
- 4つのポケットがずれないようにつけ糸をする、ポケットの幅を中央に寄せて余裕を持たせるようにしてしつけをつける。
- 本体を中表にして左右を1cm の縫い代で縫う。
- 四隅を切り落とし縫い代を片側に倒す。
- 上部 1cm にアイロンをあてて表に返す。
- 羽織紐を中央でループ状にして仮止めし、開け口を縫い閉じる。
制作にあたっての注意点
帯に芯を貼ることで厚みが出るので、ミシン針は厚地用を使用すると安心。私は普通仕様でゆっくりと縫い進め、針は折れませんでしたが冷や冷やしました。
表に返す時、かなり力がいりました。底の角を出す時は目打ちなどを使用しできるだけ角がきれいに出るようにします。(厚みがある帯地の場合はあまり無理をしない方が良いです、少々丸みがあるのもデザイン的に良いと思います)
他の着物生地でも制作してみました

華やかな帯のお財布はパーティーなどに限らず、普段でももちろん使えます。
帯でなくても他の着物生地でも同様に薄型のお財布で、使い勝手の良いものができます。
普段用やちょっとそこまでの買い物用など、自分の利用シーンに合わせたものがあるとよいかもしれませんね。
生地が変わると、手触りや雰囲気が変わります、その違いを作りながら楽しんでいました。
- 絞りが施された地紋のある着物生地(元は羽織、シルク):生地が薄いので厚い接着芯を使いました
- 煌めく糸が織り込まれているお召(マジョリカお召、シルク)(元は羽織):生地が厚いので接着芯なしで作ってみましたが、大丈夫でした
- 縮緬の小紋生地(元は長着、シルク):生地がやわらかいので厚めの芯を使いました
- 帯の裏地:動画の帯の裏生地(シルク):ツルツルしてつやのある肌触りがとても良い生地で、接着芯をつけずに作ってみました
それぞれ違う印象にできあがり、ループにする羽織紐を選ぶのが楽しみでした。
小銭をたくさん入れたいときは芯があるとよいですが、厚手の帯の裏地などなら、芯をつけなくても使えそうです。


コメント