
朝、起きてすぐの室内は、暖房を入れていても、なかなか空気が温まりません。
特に首元や肩まわりが冷えて、厚着をするほどでもないけれど、少し寒い……そんな時間帯があります。
そこで最近、絹のショールを室内用の防寒として使うようになりました。
小さな工夫をしただけで、ショールを切ることなく使っています。
絹のショールは、室内防寒に向いている

絹はとても薄く軽いのに、羽織るとふわっと空気を含んで、体にすっとなじみます。
冷たい感じがなく、動いても邪魔にならないので、家事の途中でも気になりません。
外出用としてしまい込んでいたショールですが、「朝いちばんに羽織るもの」と考えると、とても使いやすい布だと気づきました。
家事がしやすいように、前を少し留める

ただ、ショールはそのままだと前が開いてしまい、洗い物などのときに少し不便です。
そこで、前の下の方を20cmほどだけ、スナップボタン2個で留めるという簡単な工夫をしました。
上は留めず、下だけを軽く支える形です。
これだけで、
- 前がはだけにくい
- 腕が動かしやすい
- きつさを感じない
という状態になります。
スナップは縫い付けタイプで、外せばまた元のショールとして使えます。
家の中で使うものなので、「完璧に仕立てる」よりも、気楽に使えることを大切にしました。
スナップボタンの取り付けそのものが、きっちり完璧は必要ありません。糸をきればすぐに元に戻る、留まっているいる程度の取り付けたです。
もう少し寒い日は、2枚重ねに

同じくらいのサイズのショールが他にもあり、やわらかいウールのものと、ベルベット表・絹裏のものを持っています。
寒さが厳しい朝や、庭やベランダに少し出る日は、ショールを2枚重ねて使うこともあります。
内側には、
-
やわらかく体に沿うウールや絹
外側には、
- 少ししっかりした素材
- 風を受け止めるベルベット
という順番にします。
2枚重ねても、留めるのは同じく下のスナップ2個だけ。留めすぎないことで、重さを感じにくくなります。
これは毎日おすすめする使い方ではありませんが、「今日は寒いな」という日の参考として、紹介できたらと思っています。
家の中の工夫は、完璧でなくていい

この使い方は、外に着ていくためのものではありません。
- ずれてもいい
- 外してしまってもいい
- 失敗しても、誰も困らない
家の中だからこそ、合格点で十分だと思っています。
寒い朝を、少し楽にする。そのための、小さな工夫です。
絹のショールが室内防寒に向く理由

絹ショールが室内防寒に向く理由をまとめてみました。
① 薄いのに、空気を抱える
絹はとても細い繊維でできていて、布の中に「細かな空気の層」をつくります。
暖かさは、厚みよりも「空気をどれだけ含めるか」。
だから、
- 薄い
- 軽い
- でも、意外と暖かい
室内で必要な「寒くない程度の暖かさ」にぴったりです。
② 体温にすっとなじむ
絹は、
- 冷たく感じにくい
- 触れた瞬間に体温になじむ
朝の冷えた室内でも、
- 羽織ったときにヒヤッとしない
- じわっと暖かくなる
これは、室内着として大きな長所です。
③ こもらない暖かさ
絹は「湿気をほどよく吸って、外へ逃がす」性質があります。
そのため、
- 蒸れにくい
- 暖房が効いてきても暑くならない
- さっと外せる
温度変化のある室内向きです。
④ 動いても邪魔にならない軽さ
家事では、
- 腕を上げる
- 前にかがむ
- 何度も移動する
重い防寒着だと、
- 肩がこる
- 無意識に脱ぎたくなる
でも、絹ショールは、「着ていることを忘れる軽さ。だから、長く羽織れます。
⑤ 音がしない・主張しない
これは意外と大事なポイントです。
- カサカサしない
- 動いても音が出ない
- 見た目も静か
つまり、家の空気を壊しません。
⑥ 洗わなくても、回復しやすい
室内使いなら、
- 汚れにくい
- 汗も少ない
においが気になっても、「風に当てるだけで戻りやすい」です。
これも、毎日使うには大事なことだと思います。
ひとことでまとめるなら、「絹は、外でがんばる暖かさではなく、家の中でちょうどいい暖かさ。」ということになります。
おわりに
ショールは、防寒のための布です。
特別な日にしまっておくより、毎日の暮らしの中で使ってみると、布の良さがよく分かります。
このショールの使い方を動画でもご紹介しています。
動きや所作と一緒に見ると、より伝わると思います。
もしお家にショールがあったら、明日の朝、少し羽織ってみてください。
着物用のショールに留め具がついていないのはなぜ?

それには理由がありました。
着物用のショールに留め具がない理由
着物用のショールに留め具が付いていないのは、着物の美しさや扱いやすさを損なわないためです。
まず一つ目は、着物や帯を傷めないため。
留め具(ブローチやピンなど)があると、生地に穴が開いたり、帯や着物を引っかけてしまう可能性があります。
着物は繊細なものが多いため、余計な金具を使わないほうが安心なのです。
二つ目は、着姿の線を崩さないため。
着物は直線的な美しさや、衿・衣紋の流れが大切です。
留め具があると、そこだけ不自然に引っ張られたり、前が詰まりすぎてしまい、全体のシルエットが乱れることがあります。
三つ目は、動きに合わせて自然に調整できるため。
ショールを羽織るだけにしておけば、室内外の温度差や動作に応じて、さっと外したり掛け直したりできます。留め具がないほうが、所作も美しく見えます。
そしてもう一つ、昔の暮らしの名残もあります。
もともと和装の防寒具は「羽織る」「掛ける」ことを前提にしており、洋服のように固定する発想がありませんでした。
その文化が、今の着物用ショールにも受け継がれています。
なので、少し不便に感じても、 「着物を守り、着姿をきれいに見せ、所作を美しくするため」という理由から、あえて留め具が付いていないのですね。
ですから「不親切なのではなく、着物にとっては親切な作り」ということになりますね。


コメント